ミノフスキー粒子
ガンダムの世界に圧倒的なリアルさを与えている一番の大嘘、それがミノフスキー粒子です。一定濃度(100mf/m3=戦闘濃度)以上で散布すると可視光以外の赤外線・電磁波・放射線を通さないというぶっ飛んだ粒子は、トレノフ・Y・ミノフスキー博士によってその存在が実証されました。
この発見がガンダムの世界を支えることになるのです。
有視界戦闘の始まり
現代軍事のにおいて最も重要な攻撃手段として誘導ミサイルによる攻撃があります。レーダーあるいは衛星で目標を捕捉、そして何百キロも離れたところから巡航ミサイルで撃破。インド洋から大陸内部へなんて当たり前、その気になれば地球の裏側だって攻撃することが出来ます。しかも、味方の損害はゼロ。ミサイル代だけ払えばいいので、お金で解決できる後腐れの無い方法です。
宇宙世紀になっても基本は同じで、宇宙でも地球でも遠くから誘導ミサイルかレーダー連動の大砲をぶっ放してハイお終い、ちゃんちゃん。みたいな気分でした。
しかし、ミノフスキー粒子がそれを許しません。なんたって可視光以外の赤外線も、電磁波も通さないんですから熱源感知によるロックオンもレーダーも使えない状況になってしまいます。しかも、戦闘濃度のミノフスキー粒子にはLSIなどの集積回路にも干渉し誤動作を誘発する性質もあり、高度な精密兵器を無力化してしまったのです。
そうなると、もう目で見て戦うしかありません。有視界戦闘の始まりです。これにより、艦隊戦では艦隊間の距離がぐっと近くなりました。望遠鏡で敵艦を探し自分達で照準を合わせて砲撃を行う第2次世界大戦の様式に逆戻りです。
この大戦では艦隊戦でもっとも有効な戦術は艦載機による敵艦隊への攻撃でしたね。
MS(モビルスーツ)の誕生
宇宙世紀でも宇宙戦闘機のような艦載機はミノフスキー粒子が発見される前から存在していました。しかし、それは索敵や偵察が主な任務で、勝敗はあくまでも戦艦の砲撃によって決すると言う考えが主流でした。
地球連邦との関係が悪化する中、ジオン軍はいち早くミノフスキー粒子の効果に着目し艦載機となるべき宇宙機動兵器の開発に着手します。
宇宙空間は無重力なので、姿勢制御が重要な課題となります。
これまでの代表的な姿勢制御法は噴射方式でした。方向転換するために、姿勢制御用スラスターから推進剤を噴射してまず回転モーメントを生み出します。次に丁度いいところでそのモーメントを打ち消す方向にスラスターを噴射して回転を止めます。つまり、方向転換には2回の噴射が必要なのです。
ただ飛ぶだけなら現代のスペースシャトルのような飛行機型でもいいかもしれません。しかし、高機動戦闘となれば話は別です。回避運動やら追跡やらで大量に推進剤を消費します。現に当時の最新鋭の宇宙戦闘機ですら稼働時間が10分未満というものでした。
この問題を解決したのが、ジオニック社(ZEONIC社)のAMBAC(アンバック)システムでした。AMBAC(Active Mass Balance Auto Control)とは、能動的質量移動による自動姿勢制御という意味で、ある程度の質量を持った可動肢を動かすことで回転モーメントを制御する方法です。。。なんのこっちゃ分かりませんね。イメージとしては回転式のイスに正座して腕を振ると体が回転するアレだと思って下さい。
このAMBACシステムの恩恵は、姿勢制御時のバーニアが不必要になって燃費が大幅に向上したことのほかに、デッドウェイトと思われていた可動肢の積極的利用にありました。可動肢に近接戦闘や射撃戦闘用の武器を持ち替えられるようにして、いかなる状況にも対応した幅広い運用が出来るようにと開発が進められ、U.C.0073に人型を模した機動兵器モビルスーツ,Mobile SUIT(Space Utility Instruments Tactical = 宇宙用戦術汎用機動機器)が完成しました。その翌年のU.C.0074にミノフスキー/イヨネスコ型超小型核融合炉を組み込んだ高さ17m重量70tにもおよぶ巨大人型汎用兵器MS-05「ザク」が完成しました。この後、人型汎用機器をMSと呼ぶようになります。
一方、連邦軍はというと相変わらずの大鑑巨砲主義まっしぐらで、頭のおかしくなってきたジオンからミノフスキー博士がせっかく亡命してきたのにもかかわらず、MSの開発には消極的であったため開戦当初MSは一機も無いという状態でした。
連邦軍がMS開発に消極的だった理由は、ミノフスキー粒子があっても砲撃戦で何とかなるだろうと思っていたことと、MSの機動性を甘く見ていたことですが、最大の理由はあんなバカでかい人型ロボットが地上で歩けワケがない、とたかを括っていたからなのです。つまり、連邦の偉いサンたちは当面は自分達は安全だからどうでもよかったんですね。
この結果、戦力差3対1という圧倒的な有利な条件で開戦したにもかかわらず、ジオン軍のミノフスキー粒子とMSに圧倒されコロニーを地球に落とされることとなりました。
しかも、ジオン軍のザクは地上でも高い運用性を見せ付けました。時速100キロで走るMSに連邦軍の戦車はまったく歯が立たず、連邦軍は地球という大事なホームで星を落としてしまうことになります。これには偉いサンたちも肝を冷やしたんじゃないかと思いきや、本拠地のジャブローが見つかるはずが無いから大丈夫と思っていたようです。もうどうにも救えませんね。そのころには連邦軍もMSの開発を進めておりあと数ヵ月後にガンダムが完成することになり、記念すべき人類初のMS同士の戦闘が行われます。
これから、人類の戦争の主役はMSとなり、MSの開発が勝敗の鍵を握る存在となりました。
MSとMA
MSは汎用性を追及した人型機器です。つまりバランスを追求したのです。その結果、特殊な環境においては効率が悪くなるという問題がありました。そこで敢えて汎用性を捨て、限られた環境でのみ真価を発揮する機動兵器MA(モビルアーマー)が出現しました。
大出力ジェネレーターを搭載し大火力を誇るビグザムやサイコミュの搭載によってオールレンジ攻撃が可能となったエルメス、水中で無類の強さを誇るグラブロなどがいい例ですね。これらのMAは人型に縛られない設計が出来ました。
ミノフスキー物理学
ミノフスキー粒子の存在が実証されたのはUC0069年のことでしたが、その存在についての仮説はすでに立てられていました。ミノフスキー物理学会が設立されたのがUC0045年なので、それ以前には仮説があったということになります。
しかし、このミノフスキー物理学はガンダムが始まったころにはありませんでした。α-アジールにIフィールドが無いことから逆シャアのときにも無かったのではないでしょうか。
そんな後付設定のミノフスキー物理学の世界を覗いてみましょう。
核融合炉
宇宙世紀では、MSやコロニーその他いろいろなところで核融合炉が利用されています。MSが爆発するのは核融合炉が暴走しているのです。つまり核爆発ですね。なのでクワトロ大尉は汚染を心配して地球でのMSの運用を嫌がりました。当然ですね。MSのコックピットは対核処理がされているとは言えやはり心配ですとヘンケン艦長がエマ中尉を心配してたのでパイロットは平気なんでしょう。でも、整備のために機体に張り付いているメカニックマン達は大丈夫なんでしょうか?そんな疑問がずっと管理人にはありました。そんな危険な核融合炉はミノフスキー物理学によって成り立っています。
ミノフスキー粒子は質量がほとんどゼロで正か負の電荷を持ち、正と負の粒子間にはT(タウ)フォースという斥力が発生していて、空間に散布されると急激に拡散して不可視のフィールドを発生する性質を持っています。これをミノフスキー効果と言いますが、一定濃度以上では電磁波を99%遮断し放射線も通さないほどの強力なフィールドが発生します。このフィールドを放射能遮断材として利用したのがミノフスキー/イヨネスコ型核融合炉です。
核融合は核分裂よりもエネルギーが大きいため制御が難しくなりますが、放射能汚染は少なくなります。また、この核融合炉の燃料にはわざわざ木星まで採りにいったHe3(ヘリウムスリー)を使っています。ヘリウムスリーは核融合のときに放射能の元になる中性子が発生しないクリーンなエネルギーなんです。
なので、MSの核融合エンジンからは放射能は出ないんですね。でも、ヘリウムスリーを使うならミノフスキー効果はいらないんじゃないんでしょうか?まぁいろいろあるんでしょうよ。
ビームライフル
ビームライフルとは、エネルギーCAPを利用したMS用小型メガ粒子砲のことです。
メガ粒子は、ミノフスキー粒子が立方格子状に配列した場であるIフィールドが、外部からの荷電によって極度に圧縮され縮退することによって生まれます。ミノフスキー粒子には正と負の粒子がありますが、これが縮退によって融合するとメガ粒子になるのです。プラスとマイナスがくっついたらゼロだろ、という突っ込みはなしの方向でお願いします。
このときに、質量の一部が運動エネルギーに変換されます。ミノフスキー粒子の質量はほとんどゼロだろ?というツッコミはなしの方向でお願いします。
こうして運動エネルギーを獲得したメガ粒子の方向をIフィールドによって揃えてあげるとともに収束させてあげて、特定方向へ放出してあげる。ハイ、メガ粒子砲の出来上がりです。破壊力抜群のメガ粒子砲ちゃんですが、ミノフスキー粒子の圧縮に莫大な電力が必要だったり、充電にチョー時間がかかったりするため、宇宙戦艦とか要塞にしか配備できませんでした。
しかし、Iフィールドでミノフスキー粒子をメガ粒子に縮退寸前の状態で蓄積しておく「エネルギーCAP」という画期的な装置が開発されました。これでメガ粒子砲を少ない電力で撃つことが出来るようになり、小型化されてMS用のビームライフルが出来ました。このときから、MSは動くメガ粒子砲となったわけです。
もっとも、戦闘中にエネルギー切れしたら撃てないし、エネルギーCAPは戦艦とかでしか充電は出来ないんですけどね。後に交換用のエネルギーCAPである「エネルギー・パック」の開発により、MSは戦闘中にエネルギーパックを交換しながら戦うようになりました。小説のZZではジュドーがエネルギーパックを忘れてビームライフルだけ持っていって大変なことになったことがあります。
このエネルギーCAPを開発したのはなんと、ダメダメちゃんな連邦軍なのでした。大鑑巨砲主義まっしぐらだったので、ビーム兵器に関する開発は進んでたんですね。こいつのおかげで一年戦争に勝利することが出来たといっても過言ではないでしょう。
ビームライフルは強力無比な兵器であはありますが、大気中では急速に減衰するため完全に実弾兵器が絶滅することはありませんでした。
ビームサーベル
ビームサーベルもビームライフルと同じくエネルギーCAPを利用したビーム兵器なのですが、ビームライフルと違ってビーム粒子を刀のような形状に保った状態で使います。
ただ、ビーム粒子といってもメガ粒子を出しているワケではありません。縮退寸前のミノフスキー粒子を放出しているのです!
そのメカニズムはですね、サーベルの柄の部分にあたるエネルギーCAPに蓄積されたミノフスキー粒子にMSの核融合炉から電力を送り放出します。そのときに粒子収束フィルターを使ってIフィールドを刃状に固定し、刃の形状を取らせているのです。
ビームライフルほどの威力は無いそうなのですが、長時間使用できて収納時にはMSの核融合炉で充電可能です。MSの手にはビームサーベルとのジョイントがあって、殴り合いとかするとこのジョイントが壊れて接続できなくなることがあります。小説版のガンダムで一度ありました。
ゲームでは何かの間違いでビームサーベルの方がビームライフルよりも威力が大きく設定されていますね。それとも、頑張って格闘戦を挑んだ人のためのご褒美でしょうか。
ビームシールド
基本はビームサーベルと同じで、板状に幅広く展開することで盾として使います。実弾はビームの熱で瞬時に蒸発し、ビームはIフィールドで防いでしまうという画期的な兵器です。しかも小型で軽量で破壊されることがありません。
ビームシールドの実用化によって、ビームによる攻撃を防ぐことが出来ないうえに重たくて在庫もかさばる装甲型のシールドはあっという間に駆逐されました。シールドを展開している間はエネルギーを消費しますので、偵察型MSなど一部のジェネレーター出力の低いMSは装甲型のシールドを使うことがありました。
さらに、ビームシールドは大気圏突入にも使うことが出来ます。クロスボーン・ガンダム1号機は2号機に撃破されながらもビームシールドでの大気圏突入に成功しています。その後のVガンダムでは艦艇はみんなビームシールドを展開して突入していました。
Iフィールドジェネレーター
Iフィールドに指向性を持たせずに発生させるとビームに対するバリヤーになります。このIフィールドバリヤー(?)を発生させる装置がIフィールドジェネレーターです。
Iフィールドバリヤー(?)は機体をスッポリ覆う膜のようなもので、前後左右上下あらゆる方向からのビームを防ぎます。しかし、実弾やフィールドの内側に入られた場合は効果がありません。しかも、機体をスッポリ覆うにはかなりのエネルギーが必要なため、大型兵器にしか搭載できないという欠点がありました。
初のIフィールドジェネレーター搭載機はビグザムですが、当時はまだIフィールドジェネレーターの設定が無かったため「対ビーム・バリヤー」や「偏向ビームフィールド」とか呼ばれてました。完璧な後付設定なんですね。
ちゃんとIフィールドジェネレーターとして登場するのは0083のデンドロビウムとノイエ・ジールが最初ですが、そのインパクトといったらもうすごかったです。
MSではEX-Sガンダムとクロスボーン・ガンダム3号機に搭載されています。それなのに、どうして逆シャアのα-アジールに搭載されていないのか・・・
ミノフスキー・クラフト
ミノフスキー・クラフトは、空を飛ぶための装置です。
実は(笑)、Iフィールドは通常の空間に比べて、水や大地、金属や炭素などの導電性物質内部に浸透しにくい、という性質があるのです。そこで、地上や海面付近の低高度にミノフスキー粒子を充満させると、その上にある導電性の物体はミノフスキー粒子の立方格子から斥力を受けて、浮いてしまうのです。すごいですね。ミノフスキー・クラフトは浮くための装置ですので、進むためには別途推進装置が必要になります。
このミノフスキー・クラフトですが、なんと皆さんよくご存知のホワイトベースに搭載されています。
どうやってあんな船が空を飛ぶんだ?って思ったことはありませんでしたか?実はホワイトベースはミノフスキー・クラフトで飛んでいたのです。あのちっちゃな翼ではありません。あれは放熱板兼ソーラーパネルです。だまされないでください。
ザンジバルも空を飛んでいましたが、あれはミノフスキー・クラフトじゃなくてただ単に弾道飛行をしているだけです。スペースシャトルと同じです。
ミノフスキー・クラフトはあんまり必要ないのかどこかに欠点があるのか、搭載している兵器はほとんどありません。MSではΞガンダムとペーネロペーだけに装備されていて大気中を音速以上で飛ぶことが出来ます。まぁバイアランも空を飛んでいましたが、あれはブースターで無理矢理飛んでいるだけであまり長くは飛べなかったみたいです。あとはアッザムにも搭載されていましたが、ミノフスキー・クラフトの出力が弱く、長時間は飛べなかったみたいです。
ちなみに、ミノフスキー・クラフトは大気圏に突入するときにも有効です。大気のと摩擦熱で生じたプラズマは導電体なので、船体を保護することが出来るのです。じゃなんでバリュート使ってんのって話ですよね。
ミノフスキー・ドライブ・エンジン
よく分かんないんですけど、ユニット内部でエネルギーフィールドを発生させ、それによって生じる反発力を推進力として用いる技術、だそうです。
理論上は亜高速まで加速が可能。装置が大型なためとりあえず最初はマザー・バンガードにしか搭載されていませんでした。その後、小型化が進んでMSではV2ガンダムに装備されました。
このエンジンが生み出すエネルギーはすさまじく、余剰エネルギーが大量のメガ粒子となってユニットの外に噴き出してしまうので結構危険です。V2ガンダムはこの噴き出したメガ粒子を使って攻撃したり防御したり羽ばたいたりしていましたが、エンジン自体のエネルギー効率があまりよくないと言うことでもあります。
いやーミノフスキー粒子ってすごいですよね。ガンダムの世界は全てミノフスキー粒子で説明がつくのです。
このミノフスキーと言うのは、「富野好き」から来た言葉だと言う噂があります。
実はニュータイプもミノフスキー粒子で出来ています(嘘)。
詳しく知りたい人はニュータイプについても読んでください。
あと、ミノフスキー粒子はVガンダムまでしか存在しません。その後のシリーズであるガンダムWやガンダムSEEDなどでは普通にミサイルが追尾してきます。気をつけてください。